あまから手帖2017年3月号「100年続いてほしい酒場遺産」特集で、たこ梅本店をご紹介いただいています

あまから手帖2017年3月号「100年続いて欲しい酒場遺産」特集の中で、道頓堀の たこ梅 本店も取り上げて頂きました

あまから手帖「酒場遺産(レガシー)」2017年3月号
あまから手帖「酒場遺産(レガシー)」2017年3月号

作家でエッセイストの大竹聡さんが、普通にお客さまとしておいでになり、気づいたこと感じたことをそのまま文章にされています

大竹さんは、酒場がお好きなのだそうですが、開高健さんの「新しい天体」を読んで、どうしても、一度、道頓堀の たこ梅本店を訪れたかったそうです
そのあたりは、実際、あまから手帖のエッセイの中に見ることが出来ます

入り口のわきに常夜灯のある店先が見えてきた。大きな暖簾がかかっている。ああ、ここかぁ。
開高健が著書『新しい天体』の中で、筆者に二度にわたって言及させた常夜灯がこれなんだナ・・・・・・。私はすでにして軽く感激してしまっている。文士の誰それが行った酒場など訪ねない、みたいなことを偉そうに書いたけれど、この『たこ梅』には一度、来てみたかった。

あまから手帖「酒場遺産(レガシー)」たこ梅本店(道頓堀)掲載ページ
あまから手帖「酒場遺産(レガシー)」たこ梅本店(道頓堀)掲載ページ

本当においでになりたかったんだなぁ、、、というのが読んでいて伝わってきます
さらに、文章はつづきます、、、

タコの甘露煮の串を見るだけで、ああ、これかぁと思ってしまうミーハーぶりである。サエズリ、コロ、スジと、と、名物の関東煮を頼めば、初めて食す珍しさと、やっとたどり着いたありがたさがこみあげてくる。この僥倖は、この店が一七三年もの長きにわたって味を守ってきたからこそ巡り合えたものだ。
錫のタンポで燗をした白鹿も、開高さんのときのまま。錫の酒器でぐいっとやる。格別、なんてものではない。それと悟られると恥ずかしいからシレっとしていたが、その実、ぶるぶるするほど感激していた。
この店の関東煮のうまさについては、私ごときが今さらあれこれ言わぬ。未経験の読者諸兄姉は、どうぞ、日頃磨いたその舌で存分に味わってください。
こうやって、楽しんでいただけて嬉しいのと、それも、先にたこ梅を大事にしてくださった開高さんのようなお客さまがいらっしゃって、それが、後の人に伝わるからだと思います

これは、作家の方に限らず、一般のお客さまでもそうです
親が子、その子が大きくなったら、また、自分のお子さんへ、、、

気がつけば、夜も更けて、店を出る。
五代続く老舗はイチゲンの私に壁をつくらなかった。むしろ、敷居を低く感じさせた。思い返せば、東京の半世紀酒場を歩いていた時期にも、同じ感懐を持っていた。店が二代、三代と続けば、客も二代、三代と続く。祖父から父へ、そして子へー。はるかな時間の中で、老舗は、異なる時代を生きる人々の仕草を目撃し、息遣いを聞き、いつの時代も鷹揚に客を迎えた。その深い懐に憩うからこそ、老舗の酒はうまい。

そうやって代々続くところ、それは、イチゲンさんが勇気を持って暖簾をくぐって下さったところから始まるのをしっかりと見届けて文章にして下さっていました

こうやって、お店のことをしっかりと深く理解頂いたことを誌面から語りかけられた想いです

町の書店で「あまから手帖」みかけたら、ちょっとページをめくってみて下さいね!

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